理想のマネージャー

米グーグルは「働きがいのある会社」として上位にランクされている会社です。よくその独創的なオフィスや、無料の社員食堂などが話題になりますが、重要なのは、その組織の運営方法です。きれいなオフィスや、卓球台をおけば、どの企業も働きやすくなり、従業員の満足が上がるわけではありません。一時期、グーグルはフラットな組織を目指すあまりマネジャーを置かなかったのですが、その後、社員調査を経て、理想のマネジャー像を明確にして、マネジャー職を復活させたそうです。

その理想像とは、「良いコーチであること」「部下へのマイクロマネジメントをしない」「チームに良い環境を提供し、チームの成功とメンバーの状態に気を配る」「生産的で、成果主義」「良いコミュニケーターであり、人の話を聞き、情報を共有する」としています。

最近は、日本でも上司によるコーチングの重要性が認識されつつあるようですが、ここまで考えているマネジャーは少ないのではないでしょうか。ちなみに「生産的で成果主義」というのは、チームメンバーの生産性や成果だけを求めるという意味ではなく、リーダーが自ら模範として、生産的に働き、結果を出すということらしいです。

グーグルは、さらにこれに5つの理想のマネジャー像の要件を付け加えたそうです。新たに加わったグーグルの理想のマネジャー像の要件は、「キャリア開発をサポートして、パフォーマンスについて話し合う」「チームの明確なヴィジョンと戦略を持っている」「チームにアドバイスを与えるための技術的なスキルを持っている」「社内で協力が得られる、他のチームを協力する」「強力な決定者」です。最初の5つの要件よりも以前から言われているマネジャー像に近いような気がします。3番目の要件が不明瞭なのですが、グーグルはエンジニアが多くいる企業ですので、マネジャーは部下よりも(仕事に対する)深い知識を持っていなければ的確なアドバイスをすることができないということだそうです。

理想のマネジャー像とは理想のリーダー像と重なっている部分が多いと思います。マーシャル・ゴールドスミスのステークホルダー中心のコーチングでは、コミュニケーション、人を惹きつける、境のないインクルージョン、確実な成功、絶えざる変化をリーダーに必要なコンピテンシーとしています。このコンピテンシーは世界中の多くの企業を分析して明らかになった結果であり、網羅性が高いリストになっています。たとえば、上記に挙げたグーグルの「理想のマネジャー像」もほぼ、このコンピテンシーに網羅されています。このような必要とするコンピテンシーは企業によって違い、それらの違いによって企業文化や競争力が生まれていると思います。

出典:https://www.inc.com/the-muse/signs-great-leader-manager-google-research-study.html

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